アメブロ記事で紹介した「2012/3/19バンダジェフスキー博士院内講演会(書き起こし)」では、埋込んだ動画がiPhoneなどで表示されないため、こちらにiframeで埋込みます。引用箇所もそのままコピーします。
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書き起こし。(ブログ用に編集しました。)
司会(木下さんらしき声)
それでは、ユーリー・バンダジェフスキー博士の講演会を行いたいと思います。
博士ご本人のご紹介、というのは、皆さんよくご存知かと思いますが、ベラルーシで、チェルノブイリ事故の後に放射性物質の健康被害の状況を明らかにされるために、90年代にかなり多くの数の遺体を解剖されて、放射性物質が人体に与えている色んな健康被害の影響の状況に関して、刻銘にレポートされ続けてきた、恐らく、ベラルーシ国内では唯一の医学者になります。
なぜそれができなかったかというと、他の人たちは、正直いって体制の中で発言することができず、彼のみがそうした研究活動を続けたために、逮捕・収監されて、5年間獄に繋がれるという状況にありました。その後出獄されて、今はウクライナで研究活動を続けられています。
今回、福島第一原発の事故以来、相当心配をされていて、その状況の中で、ぜひ日本に来たい、皆さまの前で色んなお話をしたい、と、日本の国会議員の皆様、政府関係者の皆様、それからメディアの皆様に対してぜひ色んなお話をしたいということをご要望されて今回の会となっております。
それではよろしくお願いいたします。
バンダジェフスキー氏:
今回、木下さんの招待を受けてやって参りましたが、木下さんや木下さんのチームが大変がんばってらっしゃいます。放射能の影響を受けている人たちを守ることの支援ができればと思ってやってきました。
去年の3月に事故が起こり、あのような状況ができたわけですね。それに対して私は見て見ぬ振りはできません。残念ながら日本からは放射能に関する情報は非常に少なくて、特に日本から遠くに住んでいるという状況でなんらかの結論を出すということはできません。
今回は日本に来て下さいというお話がありましたので、自分が持っている意見を皆さんにお伝えするためにやってまいりました。意見というのは、放射性物質が人体へとりこまれた後にどうなるかという私の考え方です。
私が持っている情報をお伝えすることによって人々が、汚染された地域に住んでいる中で、いかに自分たちの健康を守っていくか、その効果的な健康の守り方について少しでもお話できればと思っております。
私のこの持っている考え方というのは1990年代に私がゴメリで学長を務めました医科大学の、私や同僚が行なった研究の結果できあがった今の考え方です。そこではゴメリに住んでいる人たちの健康について詳しく研究しました。
今回はいろんな町で講演させて頂きました。そしていかにこういう状況の中で如何に健康を守るかについてお話させて頂いたわけですが、総計でだいたい3500人くらいの方が来られたと思います。
私の話を聞いて、何らかのためになる情報を得て下さったのだと思います。こういう情報を持って今後どのように行動していかなければならないのか、そして、今後どうするのか悲しい決定をする一助となったのではないかと思います。
このような状況では、私は、国、そして議員の皆様がしっかりと様々な事実を認識する必要があると思っております。チェルノブイリ事故の後、人々の健康を守るという仕事の中でそれを感じました。
私は、研究の中で、放射性物質が体の中に入り込むと非常に人の健康に悪いということがわかりました。
体内に入ると非常に危険な放射性物質の影響を、数千人なのか、それとも数百万人なのか、多くの人々が影響を受けることになります。今回も福島の原発が爆発したことによって、数多くのの方が影響を受けています。
今の状況を客観的に皆さんの前にそれを紹介していきたいと思っています。そして以前にソ連の首脳が、バラバラになりましたが、その政権についていた人たちの間違いを繰り返して欲しくないと思っています。
チェルノブイリの原発事故の後に、政治がとった対策によって、実は今、この地方では死亡率が出生率を大きく上回っております。
どんどんどんどん、この地域に住んでいる人たちが、特に若い人たちが、重い病気によって死んでいっている状況がわかります。
そういう点では木下さんと木下さんのもとに集まった皆さんのイニシャティブを、私は高く評価しています。そういう力をもって、子どもたちや近しい方たちの健康を守って頂きたいと思います。
放射性セシウムが人体に与える 医学的生物学的影響: チェルノブイリ・原発事故被曝の病理データ
ユーリ・バンダジェフスキー (著)
Q&A
OurPlanetTVの白石さん
①突然死とか心疾患などセシウムの蓄積に関して研究されてるわけですが、私の知る限りでも福島などで高校生など若い方が突然死されたりしております。
セシウムとの因果関係は今のところまだ表明も報道もされてないわけですけど、例えば臓器のセシウムを測定するようなこと(私の知合いの知合いも亡くなっているわけですけれども)、その亡くなった方の臓器を調べるということは意味があるとお考えかどうか…。
バンダジェフスキー氏:
①まず環境中に高い濃度で放射線があるところに住んでいる場合は、突然死の可能性があると考えています。私たちもそういうことを記録しています。うちの学生の中でもそういうのがいたんです。
放射性セシウムというのは特に心臓に対して激しく攻撃をします。他の臓器にも攻撃を加えますが。セシウムがとりこまれると、心筋に蓄積します。それによって代謝機能が失われ、そしてエネルギー産出ができなくなります。心臓の心拍、即ちリズムが乱れ、崩れてしまいます。それが人間にとって突然死に繋がるような原因になります。心臓が止まります。
実際に解剖をして測ってみれば、そこにセシウムがあったというのは確認できるのではないでしょうか。そして私たちのデータを使えば因果関係がはっきりすると思います。が、亡くなった方をもう助ける事ができないのが残念です。
私たちの大学で、また私が本の中で書いたことを有効に使っていただけることのほうがもっと大事なんじゃないでしょうか。
生きている方々を検査して、セシウムがどのように作用しているか調べる必要があると思います。
必ず、体内の放射性セシウムの濃度を調べる必要があります。そういう中で、リスクグループを発見することができます。突然死に繋がる可能性のあるグループです。
ただ、突然死する場合のセシウム濃度というのは決められたことがありません。私たちの研究グループでも、[キロ当たり]わずか20ベクレルとか30ベクレルなどのセシウムで、心拍の異常が出てきている子どもがありました。それが突然死の原因になり得るわけです。
ですから、今回の福島第一原発の被災地においては、子どもだけでなく大人も対象にした全員の線量調査が必要だと思います。」
OurPlanetTVの白石さん
②今回の来日で、全国をまわられて非常に日本を好きになったと木下さんのブログ上で拝見しましたが、この交流を通して、博士の研究をどのように日本に還元したいと思われたか簡単に教えて頂ければと思います。
バンダジェフスキー氏:
②まず、日本の方々とこうやってお会いできる機会を与えて頂いたことに感謝します。他の事をしたことがありませんでした。もうずーっと仕事ばっかりしてます。本当に[スケジュールが]タイトで、このように講演会の聴衆の方々としか会ったことがない気がします。
この問題に、本当にみなさん関心を持ってらっしゃると感じました。私の持っている情報や知識を皆さんに提供する用意があります。この不幸と闘うために、皆さんをお手伝いすることができます。
私は医者なのでこのような状況に目をつむることができません。医者としての自分の責任を果たします。
もしも日本、日本の皆さん、また日本の社会、そして国の機関がこの問題について、関心が高くて一緒に仕事をしたいということであれば、そのような提案は快く受入れたいと思っています。
週刊東洋経済の岡田さん
①日本での内部被曝の深刻度についてですが、先ほど博士は福島の事故について大変心配をしているとおっしゃいましたが、日本に来られてお話を聞かれたりして、どのような点に現実に非常に深刻度があるとお考えなのか、もし具体的に例などがあれば教えて頂きたい。
バンダジェフスキー氏:
①(内部被曝について)残念ながらみなさんの所は情報が少ないんですね。自分たちで情報を隠してます。もしもこのような状態で情報を隠し続けるのであれば、数十年後には日本人という国民が本当にわずかになってしまう。
この悲劇を小さくしようと思ってはいけません。安心したいのはわかります。でも状況は厳しいんです。しかし、世界にとっても福島から多くの放射性核種を受けるということで、非常に大変な問題なんですが、特にそれを拡散したときに受けた大きな問題があるのは日本です。
今はビジネスで考える時ではないと思います。日本の国民を救うこと。みなさんの汚染地域の地図がありますが、これをどうやって信用していいのかわかりません。非常に大きな汚染です。たぶんもう放射性核種は人々の体内に入り込んでいるのではないでしょうか。でも、それを測ってませんよね。
みなさんは、なんでも知っていて何でもできると、そんな感じに思ってるんじゃないでしょうか。
私は日本のお医者さんや学者の方でチェルノブイリの研究をされた研究生を知っています。ゴメリの医科大学で1994年に国際シンポジウムを開きまして、そこにも来て下さいました。その中で私たちが発表した、セシウムは心臓に非常に危険だということについても日本の学者の方々は深い理解を示して下さいました。
しかし、そういう経験があるにも関わらず、その経験が活かされていない。それが理解できません。
このような形で、何も見えない状態、そして情報が無い状況でどうやって人々の手助けができますでしょうか。何もできないと思います。
結局、「黙っている」という政策が、ウクライナやベラルーシ、またロシアの各地域において(とられ)きょう、[人口を?]降下させております。これは人口統計上、悲惨な状況です。
私がレクチャーで使った資料を改めてお見せしてもいいんですが、結局、私たちが経験したことを皆さんはここでもう一度繰り返そうとしているように思えるんです。なにも今やらなければそういうことが起きてしまいます。
日本の人口密度が高いです。高い分だけ多くの人がこの事で被害を受けるわけです。
結局、津波のあと、瓦礫が散乱しております。これは、放射性物質の源でもあります。をれを廃棄しなければなりません。それも大至急。
そういう放射性物質の汚染源を速く廃棄しなければなりません。そういうのを日本全国にばら撒く必要はないわけです。
このような「黙っている」という政策が、むかし独裁政権がありましたソ連邦の共産党政権の中で行われたのはわかりますけれども、この21世紀に暮らしている文明社会である日本でも行われるということが理解できません。
週刊東洋経済の岡田さん
②4月から食品に関して新しい基準値が日本では導入されます。一般食品が1キログラムあたり100ベクレル、乳児用食品や牛乳は50ベクレル。飲料水は10ベクレル、という新しい基準値が今までの基準値に変わって導入されます。この基準値に対してどのように評価しておられますか?
バンダジェフスキー氏:
②食品の基準値に関して。
ではベラルーシの基準を出します。今回持ってきたので。[見当たらないのか、そのまま口頭での回答に。]
まず、私の基本的な考え方ですが、食品に放射性物質が含まれていること自体が危険です。まず、ベクレル数、濃度を下げてるということについては肯定的な動きだと思います。しかし、今年の4月から新しい基準になるということですが、この基準はベラルーシではすでに13年ぐらい使われている基準なんです。いろんなバリエーションで使われていますが。しかしながら、この基準のせいで、住民は放射性物質を吸収し続けています。
結局、こういう基準があって食品を食することによって放射性物質を体に摂りこむ、とりこんだ放射性物質は、体のさまざまなシステムに影響を与える。このこと自体は外部被爆より数段深刻であり、非常に危険になります。
例えば、牛乳1リットル当たり100ベクレルのものを数週間とり続けたら、体の中に蓄積するセシウム量は非常に多くなります。危険です。みなさんに必要なものは完全にクリーンな食事であり、クリーンな土地であります。
様々な寿命を持つ様々な放射性物質がありますが、どんな放射性物質であれ、それを体に摂りこむということは、本当によくないことです。人々は本当に放射性物質のない食品を受け取る必要があります。
非常に高い濃度で汚染されている土地は福島だけではないと私は聞いております。非常に広い地域で汚染されています。東京でもあちこちで放射性セシウムが観測されていると聞いていますが、汚染されている地域から、…話していいかどうかわかりませんが、…引越すべきだ、と、きれいな土地に住むべきだ、と私は思っております。
人々の健康を守るということにおいては国が役割を果たすべきです。今起こっていることに対して、しっかりと責任を果たし、そして、人々の健康を守っていく、それが政治の責任です。政治こそそれができるし、やるべきだと思います。
司会(木下さんらしき声)
「参考までに、ベラルーシは野菜などが100ベクレル程度のエリアです。という基準です。ですから近い基準だということでおっしゃってるんだと思います。野菜も色々ありますが主にということで…
で、4月からは暫定基準値の移行期間というのがありまして、結局半年間は前の基準値で運用可能だということになっていることもご存知だいうことで、そういうのも踏まえて思っていることをおっしゃっているのだと思います。
次の方あと、おひとりかおふたりということで、すみません。」
フジテレビの中村さん:
内部被曝が非常に重要だとおっしゃったんですけれども、仮に、内部被曝の口径摂取するのを管理できた場合、土壌汚染で健康的に暮らせる安全的なしきい値というのはどのようなものでしょうか。
ま、具体的に言うと、福島(市)、郡山市、二本松市というのは、住める環境であるのかどうか。仮説として、(放射性物質を)口径摂取するのを管理できた場合。
バンダジェフスキー氏:
「例えば、牛乳を例にとって見ますと、国の基準が100ベクレル[1リットル当たり]ということになってますよね。101になったら汚染されている、99なら汚染されていないということになりますよね。
ですから、何が基準なのか、どこに差があるのか。ヨーグルトも危険なんです。すべて、基準というのはそうして飽く迄も運用的なものなんです。
土地については、土地の表面で汚染が低かったとしても、土の中で汚染が高ければ危険です。結局いま線量が高いというのは土地の表面だと思いますけれど、農作物は土の中でその物質を吸収して育ち、被曝がおこります。
今の状況というのは、セシウムがは地上にあるわけですね。表面に。こういうところで高い濃度があった場合、背の低い子どもたちが一番危険です。
たとえば、1平方メートルあたり37ベクレルであれば、これは外部被爆としても小さな子どもにとっては非常に危険です。
長い間汚染された地域に住んでいる人たちが、新たに放射性核種を摂りこむということになりますと、それは本当に更に危険になってきます。もともと持っていたものに更に新しいものが加わることが非常に危険なんです。
最も危険なのは、食品を通して臓器にとりこまれることなんです。病気が誘因される放射性濃度、放射線量の限界というのがどこにあるのかは、まだはっきりしていません。
スライド「心電図に異常がない子供の数と 体内のCS-137濃度の相関性」
1キロ当たり10から30ベクレルあたりで、大体60%の子どもが心電図の異常が出てきちゃうんです。そのベクレル数が更に上がっていくと、心臓の動きが悪い子どもたちの数がどんどん増えていきます。ベラルーシにはたくさんいるんです、そういう子が。汚染地域です。だから死んでいくんです。
70から100(ベクレル)、ここがリスクグループ。ここは、突然死のリスクもあるグループです。他の器官も色々な疾病が出るわけですけれども、色んな治療が行われますが、
別のスライド「ウクライナでの人口自然増減率(単位:%)」
(イワンコフ地区《青の棒線》がキエフ州《赤の棒線》の約2倍)
これはウクライナ原発の横にある地区の死亡率です。原発から30キロにあるイワンコフ地区です。1000人当たり、30人が1年間に死亡するんです。実はキエフ州だけでも同18人、これは多いほうです。結局そこに住んでいる住民が死んでいってるんです。
次のスライド「ベラルーシ共和国の色々な地区の人口の死亡率の動向」
これは、ベラルーシの最も汚染されている所の、これも死亡率です。
司会(木下さんらしき声)
ここで一旦、記者会見ぽいのは止めます。そして勉強会に移ります。すいません、これは映像取材とかカメラ取材とかだけの関係の話なのですが、記者会見は一度ここで止めさせてください。なので動画撮影などはここでご遠慮ください。」44:35
(ここからは類似の説明だけで、Ustは間もなく空回りになります。撮影以外の取材記録は記者が自由にとっていいとのこと。)
勉強会の内容を”つだって”下さった方の必見ブログ記事はこちら
→「チェルノブイリを調査して投獄されたバンダジェフスキー氏来日院内講演会」。
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